箱から脱出!自立ミッション

ーとある病院
医「今日はどうされましたか?」
私「2、3日前からお腹が痛いようで…」
医「どんな痛みですか?」
私「ズキズキ?ん?どんな?…とにかく…ズキズキです」
医「何か食べた?」
私「…えーと…食べてない…と思います」
医「分かりました。ではお薬出しておきますね」
このいたって普通の会話。
実は今回の登場人物、医者と私の”2人”だけではなく、もう一人の「娘」が主人公なんです。
待合室までは私とぺちゃくちゃお喋りしていたはずなのに、医者を目の前にして自身の体調がどう悪いのか?聞かれたことに対しても頷くか首を振る、もしくはだんまりを決め込む娘。
そう、うちの13歳児はいつの間にか”箱入り娘”になってしまっていたのです。
もちろんこれまでお家に閉じこもりっきりになっていたわけではありません。なんなら、学校ではクラスのムードメーカーとまで言われている元気っ子。
なのに、プライベートで自分のことをやるとなると何にもできないのです。
というのも心当たりは大いにあります。
このご時世、娘1人をどこにでも行かせるのはやっぱり抵抗があるので、どこへ行くにも送りましたし、なんなら今でも学校へ行く時に玄関外まで見送ります。
The親バカ全開なのは分かってますが、前世でよほどひどいことがあったのか、全てのことに後悔をしたくないと思ってしまう私。もう病的に。
でもさすがに自分の症状すら医者に伝えられないとなると話は別です。
娘を首振りロボットから卒業させるべく、「自立ミッション」を課すことに決めました。
その前に、世の中の一般的な小学校高学年の子や中学生がどこまで自立しているのか目安を知ろうとリサーチ。
すると、美容院や病院、ショッピングやカフェ、泊まりで一人旅という強者までいるではありませんか!
さすがに一人旅をさせる勇気がこちら側にありませんので、普通の子がやっていることからスタートすることにしました。
まずは、”コンビニで母のスイーツと自分のおやつを買う”ミッション。
「は?アホか」と思われたでしょう…でもうちの13歳児、コンビニに1人で行くことすら怖がっていました。
でもある日娘は「この日が来た」と、部活終わりに私服に着替え約900m先にあるファミマへ、クソほど熱い中徒歩で出陣。
「チャリで行け、死ぬぞ!」という母の助言を無視し、ブラックファッションに身を包んで彼女は行きました。
しかし、自分で考えて行動することは大事。徒歩で行ったことを後悔しようがそれは彼女の選択であり今後につながる知恵となるのです。
約15分後、野菜ジュースを飲みながら帰宅した娘。ミッションクリア。
それでは第二のミッション”本屋へ電話”へいきましょう。
先日の初陣は呆れるほどに簡単でした。ホットスナックを頼むことを追加しとけばよかったと後悔。
ですが、次は大人でも苦手な人が多いと言われる電話です。
娘は漫画が欲しいけど、お目当ての本屋に在庫があるかは分かりません。もし、行ってなかったら行き損ですね。その前に確認することは大事なこと。
娘が電話したことあるのは親や友達位。お店に電凸は初です。
なので、最初は渋りましたが、自分の部屋にこもって数分後、無事に在庫確認できたようです。ミッションクリア。
いやー人間やれば出来るものですね←低レベル
でもこういうのを一個一個クリアしていくことは、「自分でも出来るんだ!」という自己肯定感を上げるために持ってこいだと実感。
ちょっと遅咲きですが、いつだって箱からは抜け出せます。
因みに次回は”ぼっち美容院”ミッションの予定です。これは本人からするとハードルがかなり高いようで、髪を切りたいのに勇気がいまだ出ずだそう。
もし、あなたのお子さんにも”箱入り”傾向が見られたら、自立ミッションはオススメ♡
来年は母の代わりに美容院予約の電話をしてくれることを願って、ちょっとずつ娘の手を離してあげることにします。