中学生版「はじおつ」

「可愛い子には旅をさせよ」っていう言葉がありますが、なかなか治安の悪い世の中。たとえ可愛くなくても旅は控えさせたいもの。
昔から放送されてる長寿番組「はじめて○おつかい」を知らない人はいないと思いますが、あれも近年はすこぶる評判が悪いですよね。
親が2、3歳の子どもを泣いたとしても無理やり1人でおつかいに行かせる。そしてまた泣きながら帰ってきた子に成長を感じて泣く親。
自分が親になってみるとその異常さが分かる時代錯誤番組。海外の人からすると、子どもを1人で(わざとらしい変装カメラマンがいたとしても)おつかいに行かせるなんてキチった親認定です。
そんな時代と専業主婦の長い母の元で育った我が家の長女中学2年生、チャリで5分のコンビニすら行けない箱入り娘になってしまいました!
今まで危ないことしないように守ってきた甲斐あって…というか、心配性の母(ワシ)が長い間目の届く範囲のところへ娘を置いておくことが心の安寧でした。
ところがどうでしょう、それが子どもの自立をものの見事に妨げていたのです(当然)
そもそも私が子どもの頃は親が働いていたこともあって自由奔放な生活をしていました。
中学生の時なんて禁止されてる隣町へ越境し、それは怪しい古本屋に入り浸っていたものです。
そんなある時、娘が「友達と電車とバス乗って映画館へ行く!」と言い出したんです。
近くのコンビニに行くのも渋る娘がなんと、公共交通機関とやらを使って学校が禁止している映画館へ友達と行くというではありませんか。
これは一大事!我が家の大事なお嬢に何かあったらと思うと気が気じゃ…
とは全く思わずむしろ「友達ちゃん!娘と一緒に旅してくれてありがとう~!」と感謝の気持ちでいっぱいに。
常々思ってたんです。娘はもっと外へ出ていろんな世界や自分で考えて行動できるようになってほしいと。
その機会をプロ友(公共交通機関乗り慣れたお友達)に誘われたことによりGETすることができたわけ。
無事に出かけた後は聞いてもいないのに娘からいちいち電車に乗る時やバスに乗る時、「映画館ナウ」なんてLINEが来るのでまぁ安心しましたが、これで私が子離れ出来なかったのではなく、娘が親離れ出来ていなかったことが発覚。
帰りはバスに乗り遅れて結局帰ってきたのは20時。もう外は真っ暗でした。
普通だったらまだ当時中1の子どもが学校で禁止されてる映画館に友達と行ったり、遠く離れた場所から遅い時間に帰ってきたりなんていけないことです。
ほかにも学校に化粧していったり、マックでランチしたり(うちの学校は禁止)も校則で決まっています。
ただ、そんな縛られた環境下でまじめに従って生活してきた子がいざ社会人になった時どうなるでしょう。
結局、学生の頃化粧してた子は社会人になっても様になってるし、してこなかった子の化粧はやっぱり芋っぽい。
校則で縛られていたものを経験してしまった子ほど社会人になった時有利に働くという矛盾があるんです。
だからといって校則を破ることが正しいということは決してなく、バランスが大事なんですね。
とにかく娘がひとつ成長したことは間違いありません。何があるか分からない世の中で、自分で考えて行動出来るようになっておく練習は大切です。
でもあの歩くこともおぼつかない幼児をおつかいに出す番組はやっぱりどうかと思う。「行けたね!すごい!」という感動ではなく、可哀想すぎて涙が出てしまうのは私だけじゃないはず。
ある程度の善悪が分かるようになってからでも子どもの手を離すのは親も心配でしょうがないですが、離れた先でも意外としっかりやれる、それが子ども。
今まで箱の中でたくさんの危険や人としてやってはダメなことはしっかり知識武装させてきたつもりなので、アウトプットのためにも我が子には旅をさせることもいいなと思った今日この頃でした。