ママは四次元バッグに救われる

「気になるマザーズバッグの中身を紹介します!」
私は以前からテレビや雑誌などで取り上げられるこの謎特集が理解不能でした。
「マザーズバッグの中身ってなんぞや?」
「母親が丸の内OL並にキラキラステーショナリーでも持ち歩いているのか?」
でも、よくよく見てみると、マザーである私でも知らなかった世界がそこにあったんです。
可愛いポーチの中には、汚物を入れるであろうビニール袋やキャラクターのウエットティッシュにオムツ。
きちんとケースに入れられたおやつに、綿棒、髪ゴム、子どものおもちゃにバッテリー(!)
これが日常的に持ち歩くものだというからこれまたビックリ。
どうやらママ力が高い人は、マザーズバッグが四次元ポケット化するようです。
いや〜、私のマザーズバッグ(通称:汚バッグ)の中身なんて他人様に紹介できるものではないので素晴らしいです。
まず、バッグの中身をポーチで区切るなんてアイディアは全く浮かびもしませんでしたし。
そもそも、マトリョーシカじゃあるまいし、バッグ開けてからのポーチ開けなんて面倒ではないんでしょうか?
あ!いえいえ、決してマザーズ四次元バッグをディスっているわけでも、ママ力の高さを妬んでいるわけでもないんです。
私は自身が経験した事件からこの”念には念のバッグ”は本当に理にかなってるなと思うようになりました。
事件は半年前にさかのぼります。
その日は、息子が月に1回通っている大きな病院に行く予定でした。
私はたまの遠出が楽しみで、その日はちょっと早めに行ってランチしようと張り切っていました。
3日前から嘔吐下痢に罹っていた息子は前日と打って変わって、この日は一度もウンチすることなく、元気もあって絶好調!
私はいつも持ち物は少なめ系ママなので、この日もハンカチとティッシュ、オムツとおしりふきだけバッグに忍ばせたら準備万端。
病院に着いたのは予約より1時間も前だったので、亀のようにゆっくり息子を車からベビーカーにうつしたり、スマホで遊んだりしていました。
実はこの時、ん?ちょっと臭うかも…とマザーの感が働いてたんですが、きっと気のせいだろうと思ったのを覚えています。
【予約していた診察まであと30分】
もぉ、こんな時間♪
ちょっとランチでも行きますか!
と、ウキウキだったのは束の間……いやいや、待て。やっぱり気のせいじゃなくて息子氏、臭いぞ!
とりあえずトイレでオムツ確認してからランチだな。
この時はちょっと焦って、うさぎのように素早くベビーカーを押し、息子をトイレのオムツ台にセット。
ボタンを外して、オムツを脱がそうとした時でした。
\(^o^)/オワタ
なんと、嘔吐下痢の襲来はまだまだ続いていたのです!
オムツだけならず、ロンパースまで被害にあっていましたが着替えの服なぞ、子供3人もいながら持ち歩いたことのない私は、この日初めて今までの行いを悔いることになります。
【診察まで後20分】
今度こそはチーターのごとくベビーカーを走らせ、遠く離れた駐車場へ舞い戻り、ウンチまみれの息子をチャイルドシートへ慎重にセット。
来るときに見たUNIQLOにダッシュで駆け込み、ベビー服コーナーへ行くも、「どうせ買うなら可愛いの♡」と選んでしまったので、10分のタイムロスが発生しながらダッシュでレジへ。
デキるUNIQLO店員にもこの時ばかりはその丁寧さに怒りを覚えましたが、なんとか気持ちを抑えて店を去ることに成功。
再び病院に着いて、トイレで格闘し、予約時間を5分過ぎて無事診察してもらいました。
お分かりでしょうか…?
私の軽量重視のマザーズバッグはなんのひみつ道具も出てこないただのお荷物。荷物少ない系にも程があることを身をもって知った出来事でした。
ズボラママさん、子供が小さい時のマザーズバッグは絶対に四次元バッグにしとくべきです!
すっからかんのバッグは、時間もランチも精神も体力もママ力も全て奪っていきます。
私は今まで小さめバッグ愛用者でしたが、あの事件以来デカめリュック愛用者へ転身。
現在、私のバッグはキラキラマザーズバッグには程遠いですが、非常用持ち出し袋並みに無敵バッグになっています。