ことばの刃

The思春期真っ最中の中学生のお子さんがいらっしゃるお母さん…日々頭を抱えていること心中お察しします。
「クソババア!」「死ね!」とか思いっきり家で発散してくれるならまだ可愛いもの(後でシバき回してやりますが)
それよりも悩まされるのが1人で抱え込むタイプの子です。
特に女の子に多いですが、うちの子も小学生までは人間関係で知らないことがないくらい学校のことを話してくれましたが、中学生になると「言いたくない」などとなかなか落ち込んでる理由を聞き出すのにも苦労してます。
無理に聞かないほうがいいかも知れませんが、気にならない親とかいる?
もしかしたらクラスのみんなに総スカン食らってるのかもしれないし、いじめられてるのかもしれないと思うと気が気じゃないですよね。
現に我が子の周りの女子で、リストカットしてる子がちらほらいるようでそりゃもう我が子に限らず、他の子も心配で仕方ないのです。
なので、この間いつもに増して落ち込んでる娘が話す気になるように誘導しまくって悩みの根源を聞き出すことに成功(おせっかいババア)
すると娘は「別に大したことじゃないから…」と前置きしてきたんです。
もうさ、心の中で”やっちまったー!”と叫びましたよ。
大したことないなら普通悩まなくない?
”明日の給食ピーマン入ってるわ。死にたい。”とかならなくない?
そんな娘の「大したことない」の言葉の裏には「ママに言ったらきっと”そのくらいで”とか言われる」と思ってるんですよおそらく。
この「そのくらいで」って言葉、結構子どもが何か気にした時言う人多くないですか?
「○○ちゃんに私の消しゴムポイってされた。もう学校行きたくない。」
「そのくらいで…気にすることないよ。嫌ならやめてって言いなさい。」
とかね。親は励ましてるつもりでも、子どもからすると「そのくらい」の温度差ってかなりあるっぽいです。
大人でもよくありますよね。
「初めて産んだ子どもが泣いて泣いてしょうがない。しんどい。辛い。私にはこの子を育てられないかもしれない。」
「そのくらいで…母親でしょ?誰もが通る道だからしっかりしなさい。私が昔の頃なんておんぶしながら畑を○×△?$…」
とか、昔話マウントしてくるオババ。
人によって悩みの大きさは違うのに、自分と比べた時その悩みがしょうもないことが分かると「そのくらいで」が出てきちゃう。
だから私は公平に、娘の話を中学生だった頃の自分のこととして聞くようにしたんです。
娘ははじめから最後まで話してくれました。
そしたら本当にその悩みはしょうもなかったんですよ。
私が中学生の時に経験していたとしてもしょうもないと思えるような内容でした。
本人のプライバシーを尊重して割愛しますが、大まかにバラすと友達関係のこと。
ですが、私が毎朝末っ子を幼稚園に送りに行った時にすれ違うママたちに挨拶するも5人の内3人からガン無視されることのほうがよほど辛いわ。というほどにしょうもなかったです。
でも、本人はもう学校へ行きたくないというほど落ち込んでいます。
だから私は言ってやりました。
”クラスメイトなんて友達じゃないよ。たまたま同じ年に生まれた近所の奴が同じ部屋に集められただけじゃん”と。
甲本ヒロトの名言まんまパクリなんですけど、それでも娘の心には少し響いたようでゲラゲラ笑ってました。(甲本さんなんかごめん)
大人になるといろんなことを経験してきたおかげでそんじょそこらのことは平気であしらうことが出来るようになります。
でも、まだ未熟な子どもたちからすればたとえ明日の給食にピーマンが入ってると知っただけで死にたくなるほど落ち込む子もいるのです。
自分の今の価値観だけで「そんなことくらいで」を使うと、子どもには大ダメージを与えかねないのだということを最近になって実感しました。
人の悩みの程度を勝手に大小決めつけることは、もちろん大人に大しても気を付けないといけないですね。